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噴出す社会矛盾。青少年による悲しい殺傷事件の数々…
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『怨み屋本舗』というテレビドラマを観ました。この作品も、最近増えている漫画が原作のドラマのようです。
「怨み屋」とは、高額な報酬で、依頼された人物を「社会的に抹殺」または「実質的に殺人」する、要するに殺し屋です。「怨み屋」は、殺しを働いた人間の隠蔽ばかりではなく、殺人に見えないような巧妙な方法で、不慮の事故に見せかけるなどして「鮮やか」に依頼のあった人物を殺していきます。

この作品の特徴は、殺しを依頼する人物がヤクザ等の裏社会の人間ではなく、どこにでもいる一般市民たちであるという点です。

そして、引きこもりの長男を抱えている家族が、引きこもりの長男の殺人を依頼するという話がありました…。いくら漫画が原作で、深夜にやっているドラマでも、そこまでやるか…という気もしました。でも現実に、親が引きこもりの子供を殺す事件も起きていますので、殺し屋を使うという点を除けば、リアリティーが全く感じられないと言ったら嘘になります。


怨み屋に、引きこもりの長男の殺しを依頼したのは、名門の医者一家の姉。
成人したこの家の長男は、就職や就職活動もせず、自室に引きこもり、自分の趣味(パソコン、アニメなど)にふける毎日。

この家に父親はいない。この長男が殺したのだ。ある日、引きこもり続けている長男を、父親が罵詈雑言を浴びせて問い詰めた。そして、部屋にある長男の持ち物(アニメのフィギュアなど)を捨てようとした。長男はキレて、思わず父親に殴りかかった。もちろん、殺すつもりはなかった。しかし、運が悪い事に、父親は、足を滑らし、階段から転げ落ちてしまった。父親の死は事故死として処理された。だから、家族は父の死因を知らない…というか知らないフリをしている。名家の家柄に傷がつく事を恐れて。

ある日、引きこもりの長男が、父親のカードを勝手に使い、買い物(インターネット通販)をしている事が明らかになった。その額は1千万円にも達した。

長男を除いて家族会議が開かれた。
「父の遺産が全部、長男に使われてしまう!」
そう叫んだのは、父の病院を継いだ姉だった。
姉は、「怨み屋」に、引きこもりの長男の殺人を依頼しようと提案する。母親は反対した。でも姉は母親に対して「あなたは学の無い看護婦のくせに!」とはき捨てた。

階下の雰囲気を察知した長男が降りてきて、暴れ出す。
「そうだよ、俺が父を殺した!」。そう叫び、目が殺気に満ちている長男は、同居している姪(姉の子供)を猥褻目的で部屋に監禁しようとするが失敗し、再び自室に引きこもる。
「このままでは、あいつに殺される」。
姉は、引きこもりの長男の殺害を「怨み屋」に依頼する。

「怨み屋」は、長男のオタク趣味に着目し、アニメ・フィギュア作りの名人を使って、引きこもりの長男を家から離れた場所へおびき出した。そして「今、君の部屋を家族が掃除している。早く帰らないと、君の宝物が捨てられてしまう」と長男を焦らせ、ブレーキに細工をした(別の依頼で社会的抹殺を頼まれた人物の指紋が付着した缶コーヒーをブレーキの下に噛ませた)車を運転させ、電柱に激突させて、長男を殺す。

電柱に激突する瞬間、長男が走馬灯で口にした「どうせ死ぬなら、自分の部屋(聖域)で死にたかった…」というセリフがとても印象的であった。引きこもり長男のオタク趣味といい、おそらくドラマ脚本は、私も読んだ事のある以下の書籍を参考にしたのではないかと思った。
『ひきこもりセキラララ』

このような家にあって、姉の娘は、好きな絵を描くことで自分を保っていた。しかし、運悪く、自身の母親(姉)に絵を描いている現場を見られてしまう。医者になるための勉強しか認めず、それ以外は全て無駄と考える自身の母親(姉)は、娘にいつも繰り返しているよりもいっそう酷く、虐待を加える。(その姉自身もかつて同じように虐待されて育てられた事を示唆する描写がある)。その虐待の現場を姉の母(娘の祖母)が目撃し止めに入る。姉は母に「学の無い看護婦!」と捨て台詞を吐く。

姉には、もう1つ「怨み屋」に頼みたい事があった。自分の母親の殺害である。父親は死ぬ前に遺言を残していた。そうして母親に金銭、姉に病院を相続させたのだ。
しかし、姉は不満であった。学の無い看護婦の分際で多額の遺産を手にし、引きこもりの長男をいつまでも見捨てない母のことが。
姉は、母親の殺害を依頼し、怨み屋は了承した。

そして、名門医者一家の家が爆発炎上した。それを遠くで見守る母と、孫(姉の子)の姿があった。火災で死亡したのは、姉と、グラビアアイドルの妹と、婿養子の姉の夫であった。実は、姉の依頼よりも早く、孫と母が怨み屋に、姉と、妹と、姉の夫の殺人を依頼していたのだ。
孫はつぶやく。

「あの家にいたら私には、勉強漬けでお母さんみたいにおかしい人間になるか、叔父さんのように落ちこぼれて引きこもりになるかの、2つの道しかない…」と。

引きこもりの殺害や、金の為なら何でもやる「怨み屋」に不快感が連続したドラマであったが、孫の最後のセリフで多少納得できた。

歪んだ家庭では、歪んだ人間が育つ。
しかし、家庭を歪ませるのは社会である事も忘れてはならないと思う。

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はじめに・・・
「事件を起こすのはごく一部の人です」。不登校・引きこもり・ニートの当事者が事件を起こすたびにマスコミが騒ぎ、専門家はその火消しにまわる。でも火消しをすればするほど、不登校・引きこもり・ニート当事者の事件が強調される。
当事者は辛いんだから、大変なんだから、事件は起きて当たり前。その視点から始めないと、真実は見えないし、解決も支援も無いと思う。
学校(社会)・家庭・他人・自分全て駄目!!を経験した筆者がお送りします。

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